季節性の定義


著者Joannès Vermorel、2011年9月推敲

統計学において、ある商品の需要(または売上げ)は年間の季節に応じて根拠となる時系列が予測される循環変動を行うときに季節性を示す、と言われています。季節性は需要予測精度を向上するうえで最も頻繁に使われる統計パターンのひとつです。

例:ほとんどの欧米小売業者はクリスマスに販売量のピークを迎えます。

時系列が示す季節性の図

下のグラフは四季の時系列(クリックで拡大)を示しています。時系列は159週間(約3年間)にわたって週ごとに集約されています。このデータは欧州大規模小売業者の倉庫から週ごとに出庫される4商品について示しています。

Image

年初(1月元旦)は灰色の縦線を入れています。履歴データは赤で記され、Lokadの予測は紫色で示されています。季節性は毎年同様のパターンを持っていることが確認できます、灰色の縦線を目安にしてください。

季節性分解のベーシックモデル

Y(t) を、時間t における需要とします。ここで、需要 Y(t) を2つの要素に分解します:厳格な循環性機能S(t) と非季節性補集合Z(t) です。すると以下が与えられます:

ここで S(t + 1 year) = S(t)とすると Y(t) = S(t) * Z(t)

S(t) のような機能が予測されるならば、予測プロセスは通常以下の3段階を進みます:

  1. 非季節化された時系列を Z(t) = Y(t) / S(t) として計算する。
  2. 時系列 Z(t) を使って予測を作成。可能なら移動平均を使う。
  3. その後の予測に季節性指数を再適用させる。

季節性指数 S(t) の予測という最初の問題に戻ると、トレンド(そのほか)はないと仮定する場合、 S(t) はこのように予測される:

S(t) = AVERAGE( Y(t-1)/MA(t-1) + Y(t-2)/MA(t-2) + Y(t-3)/MA(t-3) + ... )

Y(t-1)Y(t - 1 year) の短縮形、MA(t)Y(t) の1年移動平均とする。

この項のアプローチは「単純」ですがエクセルで簡単に実行できます。多くの統計モデルはより複雑なメソッドを使って季節性に対処していることが文献を見ると分かります。例:Box-Jenkins法, ARMA, ARIMA, Holt-Winters法...

季節性指数予測の挑戦

上記に示す季節性モデルは長期のなだらかな季節性時系列に適用されるやや単純なアプローチです。しかし一方、季節性を予測するときには複数の実際上の難点があります:

  1. 時系列が短い。 ほとんどの消費財のライフスパンは3、4年以下です。結果として、売上げ履歴季節指数を予測するための過去におけるポイントが平均的にほとんどないということになります。(それはつまり年間のS(t) 値です。前項をご参照ください。)
  2. 時系列にはノイズが多い。 ランダムマーケットの変動が売上げに影響し、季節性を分離することが困難。
  3. 複数の季節性が関係。 店舗レベルで売上げを見ると商品自体の季節性は通常店舗の季節性とからんでいます。
  4. そのほかのパターン。 トレンドまたは商品のライフサイクルは、予測に様々なバイアスを与えながら時系列にも影響を与えます

商品の集約から手作業で作り上げる「季節性プロファイル」で構成され、これらの難点を持つ単純メソッド(マンパワーが主流の場合であっても)は、同じ季節性行動を持つことが分かっています。商品集約のライフスパンは通常個々の商品のライフスパンよりもずっと長く、これらの予測の問題を軽減させます。

準季節性

年に一度起きるパターンが多くありますが、その中でも「いつも同じ日とは限らないものがあります」。Lokadでは、これらのパターンを「準季節性」と呼びます。例えば、母の日Mother’s Day (年によって日にちは変動し、また国によっても違う)や、ラマダン、イースター、ハヌカ(これらは年によって日にちが変動)などの祝日は準季節的と言えます。

これらの標準的な循環性予測モデルの対象外となる準季節的イベントは循環期間が厳格に一定であると仮定しています。これらの準季節的イベントを扱うにはより複雑な「準循環的」ロジックを使うことが要求されます。

Lokadのアプローチ

私たちの経験から季節性の影響は人の活動の大部分に影響を与えると言えます。特に消費財の販売を代表する時系列には(食糧品および非食糧品)、季節的要因がほとんど常に存在します。しかし、マーケットのノイズの量により、実際に予測を精製するための季節指数の予測精度が低すぎてしまう結果に頻繁に至ります。

Lokadの予測技術は季節性と準季節性の両方をネイティブに扱うので、Lokadにわざわざその旨を伝える必要はありません。すべて考慮済みだからです。

小売業や製造業において、限定された履歴データ量によって引き起こされる問題を解決するため、Lokadは複数時系列分析を用い、季節性は唯一の商品から見るのではなく、複数の商品から見る手法を使います。これを行うことにより、私たちの季節性予測からノイズを削減し、商品の販売が1年以内の商品であっても季節性を予測の中に導入することが可能です。

弊社のウェブアプリ、Salescastを使って安全在庫の最適化を図ってください。Lokadは需要予測を通した在庫最適化を専門としています。このチュートリアル(およびその他多数)の内容はSalescast本来の機能です。